2009年03月02日

やってはいけない開業準備A



今日は「やってはいけないシリーズ」の第二弾です。「開業準備費の予算管理をしっかりと」について書きます。開業を目指す先生方の多くは、高校から大学とバブル崩壊後の厳しい経済情勢下を過ごしてきたので、お金の使い方に結構慎重だと思います。しかし、いざ開業準備となると、これも必要あれも準備と予算が膨れるものです。これについては、やむを得ない面がありますが、反面シビアに優先順位を考えないといけません。

確かに、開業は機器設備を充実させ、十分な体制を作って開業したいものです。しかし、無理は禁物です。前回に書きましたが「開業の目的を設定し、それに沿ったスケジュールを立て、それを判断基準にして、慎重な行動をとる必要がある。そのことが、結果的に開業の目的達成を早める」との趣旨をお伝えしました。特に機器設備は、予算的に無理のない範囲で備え、徐々に充実させていくのが無難なやり方です。その方がやる気が出てきます。開業時の設備機器については「少し足りなく」がうまいやり方です。この点を軽く考えて開業すると、後から「こんなはずじゃなかったのに」と泣きを見ます。そんな例が後を絶ちません。

こんな例がありました。1年半前に開業したA先生は、犬猫を中心に診療するが、循環器科を充実させたい、特に診断機能を高度なものにしたいと考えていたので、開院時から高機能エコー、心電計、そしてレントゲンを設備しました。それだけで1000万円近くの設備になりました。その他の機器を入れると2000万円近くになりました。確かにリースを組んだので開院時の支払いは楽ですが、毎月の支払いが負担になります。売上げが順調であれば問題ないのですが、少なくとも開院当初は来院数が少ないのが現状です。

1年後の収支を見ると、収入が800万円、支払いが合計で850万円程になります。これには生活費(月額35万)が含まれていません。生活費は、運転資金が500万円あったのでそこから300万円程出しました。

現在の収入は月額平均100万円を超えているので何とか生活費もまかなえています。しかし、病院運営資金の余裕は100万円を切りました。かなり厳しい状況です。大きな出費があれば病院運営に確実に支障が出ます。現在は奥様の協力があるので人件費の実質ありません。その点はいいです。しかし、将来の経営安定に不安が残ります。

このケースは、機器の設備投資が過大な例です。確かに、機器設備を充実して診療サービスの質を上げ、集患(集客)する。その発想は、間違いではありません。しかし、無理があったのです。収入がそれ程順調に伸びるかというと、そうそう簡単ではないのです。厳しい見方をして資金計画や予算組みをすべきです。将来を見据えると言うのは、誰にとっても難しい事ですが、これはよくある例ですから、開業する先生方は、よくよくご注意ください。
posted by 動物病院開業研究会 at 22:10| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 開業準備で大切な事&やってはいけないこと | 更新情報をチェックする
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